三角関数の基本

三角関数とは

三角関数は,以下のように定義されている。

三角関数の説明図 平面上の座標において,x軸上の正の部分を始点として左回りに角度θを取り,原点からその角度に半直線を引く(図の赤い直線の部分)。この直線と,原点を中心とした半径1の円との交点のx座標をξ,y座標をηとすると,sin θ・cos θ・tan θは以下のようになる。
  • sin θ = η
  • cos θ = ξ
  • tan θ = η / ξ

また,上の図から以下のことがわかる。

  1. sin θ / cos θ = tan θ
  2. sin2 θ + cos2 θ = 1 (三平方の定理を用いる)

注 (sin θ)2 をよく sin2 θ と記述する(他も同様)。

ラジアン

通常プログラミング言語において,三角関数の引数はラジアン(rad)を用いる。1ラジアンは(180/π)度に等しい

主な角度の「度」と「ラジアン」の対応表

ラジアン
00
1(1/180)×π
15(1/12)×π
30(1/6)×π
45(1/4)×π
180/π
(≒ 57.2958)
1
ラジアン
60(1/3)×π
90(1/2)×π
135(3/4)×π
180π
270(3/2)×π
360

ラジアンを用いた三角関数の値は,無限数列を用いて求められる。この無限数列の計算をコンピュータ内部で行うことで三角関数は求められている。
ActiveBasicの「Include\basic\function.sbp」の中の「_Support_tan」関数を見ると,「For i=19 To 3 Step -2」という部分があるが,ここがそれに相当している(多分)。

余談だが,ラジアンを使うと三角関数の微分・積分も可能になる。

応用

(例)x-y座標において,50度の方向を向いている時に長さ7だけ前進した。移動後のx座標,y座標の値はいくらか。
※座標および角度は,このページの一番上で定義したものの通りとする。

(答)右の図のように計算できる。

  • x座標:7 × cos 50°≒ 7 × 0.6428 ≒ 4.4996
  • y座標:7 × sin 50°≒ 7 × 0.7660 ≒ 5.3620

注:sin および cos の値は,Windowsの電卓を用いて出しました。

問題の図説

アークタンジェント

y = tan xx はラジアン,-2/π ≦ x ≦ 2/π)のとき,x = Tan-1 y と書き(「-1」は「-1乗」ではなくただの記号としてみて下さい),xy のアークタンジェントと呼ぶ。アークサイン・アークコサインも,x の範囲をそれぞれ -2/π ≦ x ≦ 2/π,0 ≦ x ≦ π に取れば同様に定義される。
アークタンジェントは,よく円周率の値を求めるのに用いられる。tan 45° = tan(π/4) = 1 であるから,π = 4 Tan-1 1 となる。

BASICでは,アークタンジェントは Atn と書かれる(Cなんかではatanと書く)。ActiveBasicの場合,アークサイン・アークコサインは標準では計算できず,以下の方法を用いる。

戻る